CASE STUDY

STORES 株式会社

https://www.st.inc/

STORES 株式会社 正面玄関
ご利用いただいているサービス
「SaaSライセンス&サポート」Notion
ご利用期間
2025年1月〜
お話をうかがった方
STORES株式会社
PX部門 IT本部 本部長

中野達也様
STORES株式会社
PX部門 IT本部 コーポレートエンジニアリンググループ マネージャー

伊藤毅様

部門を越えた協働を実現するためのフラットな組織。
STORES社が考える情報共有の在り方

中野様 話す姿

貴社の事業やサービスについてお聞かせください。

回答者:中野様

中野様

STORESは、小規模事業者や個人の店舗運営を“まるっと”支援するオールインワンのプラットフォームです。ネットショップやPOSレジ、キャッシュレス決済、予約、顧客管理など、リアルとオンラインの両方で必要な機能をまとめて提供しています。ITに詳しくない方でも直感的に使いやすく、事業の成長にあわせて拡張できることがポイントです。
他社サービスの場合、ネットショップやPOSレジなどの機能を個別のサービスとして提供しているケースが多いため複数社と契約して管理せねばならず、日々の業務で忙しい個人事業主や小規模な企業にとっては大きな負担です。しかしすべて一元管理できるSTORESであれば、とりあえずSTORESを確認すれば業務を回すことができ、もしエラーやトラブルが発生した際もSTORESに問い合わせいただければ、いち早く問題を特定できるなどのメリットがあります。

STORES様の組織体制と情報共有の仕組みについて伺います。

回答者:伊藤様

伊藤様

弊社はフラットな組織文化だと思います。部門長やマネージャーなどの役職はありますが、その役職には縛られずに部門横断で、アメーバ的にプロジェクトが立ち上がって進められることが基本です。プロジェクトごとにオーナーがアサインされ、そのたびにプロジェクトに最適なメンバーが集められます。
今回のようなSaaSやシステム導入にあたっても、情報システム部門だけで完結することはなく、実際にそのSaaSやシステムを使用するメンバーを巻き込みながら能動的に関与させることで、より実用的な設計・実装を可能としています。

回答者:中野様

中野様

フラットな組織において、社員同士が協力し合うためには情報がオープンであることが大原則です。弊社の場合、感覚的には全体の9割9分の情報は社内に対してオープンになっています。人事や評価など一時的に非公開にすべき情報は関係者だけに共有された後、最終的には公開されるというルールです。

社内に根付いたナレッジの蓄積文化と、
ツール分断の課題。
一気通貫の社内基盤をめざして

伊藤様 話す姿

Notion導入以前は、どのように情報を管理されていたのでしょうか。
また、どのような課題があったのでしょうか。

回答者:中野様

中野様

以前は日本の企業が開発、運営しているクラウド型情報共有サービスや、ナレッジ共有ツールなどを活用していました。これまで5年ほど運用しており、累計で15万記事以上が蓄積されています。日常的に1日あたり100記事近くが投稿され、社内のナレッジを蓄積していく文化が定着していました。単純計算すると、過去5年間で12万5千記事が作成されていたことになります。
その一方で課題に挙がっていたのが、部門ごとに使用していたツールがバラバラだったことです。デザイン部門とエンジニア部門では別のツールが導入されており、プロジェクト管理のツールも異なるなど、1つのアカウント体系に統合できていませんでした。
使用しているツールが社内でバラバラですと、参照先のリンク切れや表記ゆれが起きたり、情報の所在が担当者以外に分からなくなったりと、さまざまな不都合が出てきます。私たちが提供しているSTORESが、一気通貫なサービスであることを強みとしているように、社内のIT環境も一元化されていたほうが便利だという思いから、ツール統合を進めていくことになりました。

ナレッジ共有のソリューションを統合するにあたって、どのように比較検討されましたか。

回答者:中野様

中野様

管理のしやすさだけを重視するのであれば、大手企業が提供するオフィススイートへの統一が最も楽な選択肢ですが、ユーザー体験や働きやすさを重視して「いいものを選ぼう」と考えました。
その上で大きな要素となったのが、AIによる業務効率化です。特に注目していたのが、ドキュメントの要約や、RAG(検索拡張生成)によるナレッジ検索の高度化ですね。以前に導入していたツールと生成AIを組み合わせてなんとかRAG機能を実現していたのですが、正式なサービスとしてRAG機能が実装されているツールのほうが価値があります。
そのように考えていた頃にちょうどリリースされたのが「Notion AI」です。Notion上で生成AIによるサポートを受けられれば、自然文で検索し、目的の情報を取得することができます。また、管理しているデータベースを「誰がいつ何を更新したか」といった履歴をレポーティングできることも魅力でした。
Googleのドキュメントやスプレッドシートでも代替は可能ですが、プロジェクト管理の機能が弱点です。データベースで構造化し、タスクやプロジェクト管理ができ、そしてAI連携までできることが決め手となり、Notionの全社導入を決定しています。

15万件超の情報資産を完全移行するために。
壁打ち相手にネクストモードを選定した理由

STORES株式会社 ロゴ

Notionを導入するにあたって、弊社にご相談いただいた理由をお聞かせください。

回答者:伊藤様

伊藤様

Notionの導入を最後までやり切ること、具体的には蓄積されてきた15万記事以上をすべて移行し、集約する必要がありました。旧ツールにデータを中途半端に残さず、すべてのデータを完全に移行し、旧サービスはクローズする。そして、ユーザー視点で見ても分かりやすく、運用もシンプルになる状態を実現するためには、実際にNotionの活用実績があるパートナーに壁打ち相手となってもらうことが最適だと考えたのです。

回答者:中野様

中野様

ネクストモードさんとの出会いは、2024年冬のカンファレンスでネクストモードさんが登壇され、「情シスのSaaS管理はかくあるべし」といったアジェンダでお話しされていたことがきっかけです。ネクストモードブログやセミナーなどで“SaaSおじさん”と名乗られている、名物社員の方の印象がとても強く、勉強になる話だったと記憶に残っています。
カンファレンスの運営に「登壇資料をもらえませんか」と依頼したほどで、その後にネクストモードブログで発信されている情報をいくつか拝見し、知識も豊富そうだと感じました。

他社代理店との比較検討の際、重視されたポイントはどこでしょうか。

回答者:中野様

中野様

まず、知識の発信力です。対象となるサービスについて、どれだけ深く理解しているかはサポートいただく上でとても重要です。2つ目に大事だったのが、やり取りのスムーズさですね。Slackでスピーディにやり取りできるかどうかを重視しました。
そして、弊社との親和性です。ネクストモードさんがNotion以外に取り扱っているSaaSが、実際に弊社でも導入しているものも多く、企業文化や共通言語としても親和性が高そうだなと安心感がありました。こうした背景から、ネクストモードさんにNotion導入のプロジェクトに伴走していただくことを決定しています。

SaaS導入支援の要は、ユーザー視点のアドバイス。
Slack上のサポートやレクチャー会を評価

中野様 伊藤様 並んで話す

全社へのNotion導入は、どのように進行しましたか。

回答者:中野様

中野様

ネクストモードさんとの初回打ち合わせは、2023年10月末頃だったと記憶しています。具体的な取り組みは2024年1月からスタートし、まずは検証と設計フェーズでした。40ライセンスを発行し、各部門ごとに旗振り役となる“データの引っ越し担当者”を決め、実際に手を動かしてもらいました。
Notion移行プロジェクト自体もNotion上で管理され、専用のチームスペースを設けていただいています。そこでQA管理やチケット、課題の管理などもすべてNotionのデータベース上で可視化しました。

回答者:伊藤様

伊藤様

私が担当したのは、移行スクリプトを担当する開発陣との認識合わせや、データ移行の進捗管理です。加えて、移行状況を社内へ共有するといった、プロジェクト全体を円滑に進めるための調整業務を担っていました。
以前のツールからNotionへのデータ移行に伴う各種設定を進め、2月には新しい環境での運用が始まりました。データの引っ越し作業は主に現場の旗振り役が中心となって進めるため、私はAPI連携のコードが必要となった場合などのサポートを行っています。3月上旬にはほぼすべてのページを移行し、アーカイブ扱いの約5万件も3月下旬にはクローズできました。

弊社のNotion導入サポートで特にお役に立てたポイントをお聞かせください。

回答者:中野様

中野様

特に助かったのは、Notion特有の仕様に関する問い合わせ対応です。セキュリティや権限の挙動に違和感があり、「これはバグか?仕様か?」という判断がつかずに手が止まってしまうケースは珍しくありません。ベンダー側であるNotion社からの回答はもちろん有用ですが、それだけでは日々の実務に十分対応しきれないこともあります。ベンダー側の回答に加えて、実際に他社や他の環境ではどのように動作するのか、そして自分たちはどう対応すべきかといったユーザー視点での助言が、実務を進めていく上では重要です。
そのため、実際にNotionを活用し、弊社以外にもサポート実績があるネクストモードさんのアドバイスはとても有益だと感じています。そして、私たちへの回答を作成するために調べた結果を、ネクストモードブログとしてノウハウを公開、発信されている姿勢にも好感が持てます。

回答者:伊藤様

伊藤様

1月と2月に1回ずつ、1時間のレクチャー会を開催いただきました。レクチャー会の内容については事前のお打ち合わせにてご相談させていただき、いかに現場の旗振り役に刺さるレクチャー会にできるかと議論を重ねています。
一方的な講義ではなく、参加者に手を動かしてもらうハンズオン形式で進められ、その様子は動画に撮影して「Notionの始め方」と題して社内に共有しています。
また、Notion AIの導入についても助かりました。導入当時は新しい機能ゆえに改善や更新が頻繁に行われていましたが、ブログ記事での紹介や概念図、動画を活用したレクチャーなどでご支援いただきました。おかげで「AI活用で業務がどう変わるか」という視点でサポートいただき、事業会社の実務者としては非常に助かっています。

全社展開を1ヶ月前倒しで完了。
公式情報だけでなく、
実例ベースのアドバイスが安心感に直結

笑顔で話す中野様

弊社のNotion導入サポートで得られた成果についてお聞かせください。

回答者:中野様

中野様

タイトな移行スケジュールでしたが、とてもスムーズに全社展開できたことが印象に残っています。当初想定していた目標通りに3月中にはすでに移行が完了しており、スケジュールも品質面も想定以上に進行できています。

回答者:伊藤様

伊藤様

ネクストモードさんのサポートがなく、他ツールとの連携ノウハウが共有されないままでは、進行や品質に確実に影響が出ていたと思います。スケジュールは少なくとも1か月は遅れていた可能性があります。
Notionへの移行が完了してからは不思議なくらい社内からは問い合わせがなく、「せっかく導入したのに、使われていないのでは……」と心配になったのですが、監査ログを見ても問題なく皆が使いこなせているようで安心しました。Notionは直感的に操作できる分、誤操作の懸念もあったのですが、特別な対応が必要になるようなトラブルは起きていません。社員のリテラシーの高さ、そしてレクチャー会の効果が出たと感じています。

弊社のNotion導入サポートに対する評価をお聞かせください。

回答者:中野様

中野様

想定していた以上のサポートでした。特にSlackで気軽にやり取りができたため、安心して壁打ちできています。たとえばナレッジ共有ツールとタスク管理ツールとの使い分けについても、実際に両方のツールをネクストモードさんは活用、理解されていたため、高いレベルで壁打ちできました。
またNotionの公式ではリリースされていないような情報、たとえば「Notionのデータベースは、何件まで快適に使えるのか?」といった、カタログ上ではなく実用的なスペックに関する疑問に対して、ネクストモードさんが他社事例や自社検証の知見をもとに対応してくれています。こうしたサポートのおかげで、弊社のNotionに対する理解の質がより一層高まったものと考えています。

めざすは「Notion way」の浸透。
単なるツール導入の先、情報資産の価値最大化をめざす

中野様 伊藤様 エントランスで笑う

今後のNotion活用の展望についてお聞かせください。

回答者:伊藤様

伊藤様

Notionベースのナレッジ共有に、社員も慣れてきたと感じています。今後は、タスク管理ツールからNotionへの移行をより一層推進していく予定です。およそ半年ほどの移行期間を見据えていますが、今回のナレッジ共有ツールの移行と同様に成功させたいですね。

回答者:中野様

中野様

もうひとつの展望として「Notion way」の実現、つまりNotionに最適化されたドキュメントの在り方、考え方を社内に浸透させていけたらと思っています。他社の活用事例を調べていると、外資の大手企業ではもっと高度なツール連携やDB設計を実現しているようで、そのクオリティに圧倒されます。もっと高いレベルでNotionを活用できれば、会社全体の生産性は大きく向上するはずです。私たち自身がNotionのより良い使い方を学び、それを広げていくことが必要だと考えています。

最後にNotionの導入を検討している企業へアドバイスをお願いします。

回答者:中野様

中野様

情報システム部門にNotion導入の経験者がいるなら別ですが、そのようなケースは圧倒的に少数だと思います。Notionにかかわらず、新規でツールを導入する際には壁打ち相手がいるだけで、プロジェクトの安心感がまったく違います。無理に社内だけで完結しようとせず、詳しい方に早めに相談できる体制を構築することをおすすめします。

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